守りたい伝統工芸 ― 漆

漆(うるし)は、英語で「japan」と呼ばれるくらい、漆塗りは日本特有の伝統工芸です。
うるし
日本では、漆は縄文時代から利用されていたようで、装身具の塗料としたり、土器の接着・装飾に使っていたといいます。
現在は、塗料として使われることが一般的です。とくに、器や箸などの道具に漆が塗られたものを、漆器(しっき)といい、その美しさと強靭さは高く評価されていることはいうまでもありません。
また漆は、熱や湿気、酸、アルカリにも強い性質を持っています。腐敗防止、防虫の効果もあるため、食器や家具に適しています。
塗料としての漆の伝統的な色は黒と朱であり、黒は酸化鉄粉や煤、朱漆にはベンガラや辰砂などが顔料として用いられます。コーヒーカップ

 

漆器は高価で、扱いが難しい。
傷をつけたら台無しだし、特別な時しか使わない。

 

漆器というと、こんなイメージをもっていませんか?
しかし、そんなことはありません。
次の注意点さえ守れば、むしろ、毎日使っていただきたいのが漆器です。

 

≪これは避けてください≫

  • ●直射日光(紫外線)
  • ●乾燥した所
  • ●乾いた熱(熱いやかんなどに直接ふれないように)
  • ●湯水に長時間浸す
  • ●ストーブやヒーター、クーラーなどの冷暖房器具のそば
  • ●食器洗浄機や乾燥機、電子レンジ、オーブン

マグカップ
これだけ気をつければ、漆器だからといって何も特別なことはありません。
ガラスのコップや、陶器の皿を洗うように、水やぬるま湯で薄めた洗剤を使い、スポンジで洗い流すだけでよいのです。
ただ、ガラス等の堅いものや、先のとがったものが当たると、塗膜が傷ついてしまうので、
漆器を洗う場合は、ガラスや陶器などとは別にして洗っていただくと安心です。
洗った後は、洗いざらしの木綿の布巾やタオルなどで拭きます。水滴を残したままにしておくと、水道水の中に含まれるカルキ分が残り、色味の濃い漆器の場合、白っぽいものが目立ってしまいます。

 

漆は湿度70~80%、温度25度という環境の中で最も固まります。
乾燥した環境におくことは、漆器にとって、一番つらく、悲しいことなのです。
毎日使い、 毎日洗って、また使うことは、結局は漆に必要な水分を補給してあげることになり、何よりのメンテナンスになります
長年使って傷がついたり、欠けが出た場合でも、しっかりした木地に丁寧な下地が施された漆器なら、直すことができます。
漆器とは、直しながら使っていく、生活の道具です

≪漆器の修理について≫
当店でお買い上げいただいた漆器は、まず当店にご相談ください。
状態を確認したうえで、可能な場合はメーカーに預け、お直しいたします。
漆は丈夫ですが、落としたりぶつけたり、何らかの衝撃によりヒビが入ったり、欠けたりします。
また、長く使い続けるうちに変色することもあります。
しっかりした木地に丁寧な下地が施された漆器なら、お直しが可能です。
割れやヒビが入ったものは、できれば使うことをやめ、早めにメーカーに預けることで、修復が可能な場合があります。割れのかけらは、必ず一緒にしておいてください。
修理のご相談の場合は、「なぜ、どういう理由でそうなったのか」をできるだけ詳しく、お問合わせフォームからお知らせください。

お盆漆器は、きちんと手入れをすれば、美しさに磨きがかかり、もちもよくなります。
二代、三代と使い続けることはめずらしくありません。扱い方の基本だけ守って、あとは気楽に使いましょう。

 

スマロハ・セレクトショップでは、「いつものうるし」をテーマにした、輪島の「輪島キリモト・桐本木工所」の漆器を取り扱っております。
デザイン提案、漆器監修なども手掛けながら、現代の暮らしに溶け込むような漆の可能性に挑戦しています。
皆様からご要望をいただくことで、さまざまな漆器をご紹介させていただきますので、ぜひお立ち寄りください。

輪島キリモトの漆器

 

参考URL 輪島キリモト「お手入れについて」